一応の完成
五年前に開発を始めた無人機が、ようやく完成と呼べる状態となった。区切りがついたので無人機の開発記のようなものを書いてみる。
無人機の開発目標
目標は、
- 目標に飛んでいく
- 地形は自動で回避
- 敵の攻撃も回避
- 群飛行する
- 偏差射撃
- 精度は1200m先から1chipを連続して撃ち抜ける程度
- 無人機のカメラ視点が使える
- 大量運用できるように小型化
- 敵味方識別
...いつ見ても無謀な目標である。
最初の無人機”XF-03”
無人機の開発を始めるきっかけとなったのが、この動画である。
「こいつッ !!自動で戦っていやがるッ!」
動きは、追尾して、照準が合ったら撃つだけだな...俺にも作れるのでは?
と、いうことで無人機の開発が始まった。まずは試験機を作ることにした。それがXF-03である。この時はまだPID制御の概念そのものがなかったので、撃っても目標には当たらなかった。
当時考えていた仕様は以下の通り。
- 目標追尾可能
- 速度調整可能
- 射撃精度指定
- 敵味方識別
動かしてみた所、とある問題を発見した。
なんかエルロンが安定しないぞ...?
実はロール制御の問題はこの時点で発覚していたのだ。この問題は、後の無人機開発でも筆者を苦しめることになるのであった...
火器管制を搭載! 完成されるはずだった "TFX-02"
XF-03の問題点を改善し、実際に運用するために作られたのが"TFX-02"である。
要求仕様は以下の通り。
- 目標指定可能
- 速度指定可能
- 射撃精度は0.1度以下
- 切り離して大量に運用
- スモーク
- 火器管制を搭載
- 敵味方識別
- 地形回避
- 3DHUD搭載
- 群飛行可能
- エルロンにもっと安定性を!
要求仕様を満たすまでに2年近くかかった。Luaが複雑化しすぎてヒジョーに整備しずらい。これはマズイ。さらに、ARMのOptionの数値を上げると命中しなくなる。そして動作が重い。
ロール制御は前の記事で解決した。
解決したかに見えたのだが、もう一工夫必要だった。射線が目標に近づけば近づくほど、目に見えてエルロンの反応が鈍くなっていくのである。
ようやく"完成"した無人機 "ADF-01"
型番が完全に"某ゲーム"のものである。仕様は、TFX-02のものに加え、敵弾回避を加えた。火器管制も高級なものへ変更し、ロール制御の問題は解決された。
この機体には、新しく作成した航空機用の動翼システムを利用していて、TFX-02で見られた機体の横滑りを解消している。地形回避は、この動翼システムと統合したため、通常の航空機でも地形回避を利用できる。TFX-02に搭載されていたものをベースに改良をしたため、地形の回避率はほぼ100%となった。トンネルはくぐれない...
開発目標を達成したため、この機体を"完成"とすることにした。完成とはいっても、タイトルにある通り"一応の完成"なのでこれからも改良はつづく。