ごうたいぶろぐ

いろいろ

一応の完成

 五年前に開発を始めた無人機が、ようやく完成と呼べる状態となった。区切りがついたので無人機の開発記のようなものを書いてみる。

 

無人機の開発目標

目標は、

  • 目標に飛んでいく
  • 地形は自動で回避
  • 敵の攻撃も回避
  • 群飛行する
  • 偏差射撃
  • 精度は1200m先から1chipを連続して撃ち抜ける程度
  • 無人機のカメラ視点が使える
  • 大量運用できるように小型化
  • 敵味方識別

...いつ見ても無謀な目標である。

 

最初の無人機”XF-03”

無人機の開発を始めるきっかけとなったのが、この動画である。

 

www.youtube.com

 

「こいつッ !!自動で戦っていやがるッ!」

 

 動きは、追尾して、照準が合ったら撃つだけだな...俺にも作れるのでは?

 

 と、いうことで無人機の開発が始まった。まずは試験機を作ることにした。それがXF-03である。この時はまだPID制御の概念そのものがなかったので、撃っても目標には当たらなかった。

 

当時考えていた仕様は以下の通り。

  •  目標追尾可能
  • 速度調整可能
  • 射撃精度指定
  • 敵味方識別

 

動かしてみた所、とある問題を発見した。

 

なんかエルロンが安定しないぞ...?

 

実はロール制御の問題はこの時点で発覚していたのだ。この問題は、後の無人機開発でも筆者を苦しめることになるのであった...

 

火器管制を搭載! 完成されるはずだった "TFX-02"

 XF-03の問題点を改善し、実際に運用するために作られたのが"TFX-02"である。

 

TFX-02

群飛行中のTFX-02

要求仕様は以下の通り。

  • 目標指定可能
  • 速度指定可能
  • 射撃精度は0.1度以下
  • 切り離して大量に運用
  • スモーク
  • 火器管制を搭載
  • 敵味方識別
  • 地形回避
  • 3DHUD搭載
  • 群飛行可能
  • エルロンにもっと安定性を!

 

 要求仕様を満たすまでに2年近くかかった。Luaが複雑化しすぎてヒジョーに整備しずらい。これはマズイ。さらに、ARMのOptionの数値を上げると命中しなくなる。そして動作が重い。

 

 ロール制御は前の記事で解決した。

natou9922.hatenablog.com

 

解決したかに見えたのだが、もう一工夫必要だった。射線が目標に近づけば近づくほど、目に見えてエルロンの反応が鈍くなっていくのである。

 

ようやく"完成"した無人機 "ADF-01"

 型番が完全に"某ゲーム"のものである。仕様は、TFX-02のものに加え、敵弾回避を加えた。火器管制も高級なものへ変更し、ロール制御の問題は解決された。

 

 この機体には、新しく作成した航空機用の動翼システムを利用していて、TFX-02で見られた機体の横滑りを解消している。地形回避は、この動翼システムと統合したため、通常の航空機でも地形回避を利用できる。TFX-02に搭載されていたものをベースに改良をしたため、地形の回避率はほぼ100%となった。トンネルはくぐれない...

 

開発目標を達成したため、この機体を"完成"とすることにした。完成とはいっても、タイトルにある通り"一応の完成"なのでこれからも改良はつづく。